この記事について
前回Claude Codeのコマンドをまとめましたが、今回はOpenAIのCodex CLIについてまとめます。さらに、Claude CodeとCodexを同じプロジェクトで併用して相互レビューさせる方法も紹介します。
2026年4月時点の情報です。Codexは更新が非常に速いので、最新情報は公式ドキュメントを確認してください。
Codex CLIとは
Codex CLIは、OpenAIが提供するターミナルベースのコーディングエージェントです。ローカルのリポジトリを読み込み、ファイルの編集やコマンドの実行をしてくれます。Rust製でオープンソースとして公開されています。
Claude Codeと似たポジションのツールですが、サンドボックスによるセキュリティ管理や、codex execによる非対話モードなど、CI/CDとの親和性が高い点が特徴です。
インストール
npmでグローバルインストールするのが一番手軽です。
# npm
npm i -g @openai/codex
# Homebrew(macOS)
brew install --cask codex初回起動時にChatGPTアカウントまたはAPIキーでの認証が求められます。ChatGPT Plus / Pro / Business / Eduプランに含まれているので、追加料金なしで使い始められます。
# 起動(初回は認証フロー)
codex
# APIキーで認証する場合
export OPENAI_API_KEY="sk-..."
codex
# 認証状態の確認
codex login
# ログアウト
codex logout基本的な使い方
基本的な操作感はClaude Codeとよく似ています。対話モードで起動して、やりたいことを自然言語で伝えるだけです。
# 対話モード(TUI)を起動
codex
# 初期プロンプト付きで起動
codex "このプロジェクトの構造を説明して"
# 非対話モード(結果を出力して終了)
codex exec "テストを実行して失敗を修正して"
# 全自動モード(承認なしで実行)
codex --full-auto "ESLintエラーを全部修正して"
# セッションを再開
codex resume --last
# セッションを分岐
codex fork --last承認モード(サンドボックス)
Codex CLIの大きな特徴が、OSレベルのサンドボックスです。macOSではSeatbelt、LinuxではLandlockを使って、エージェントが触れるファイルやネットワークアクセスを制限します。
承認ポリシーは3段階あります。
# 読み取り専用(最も安全)
codex -s read-only
# ワークスペース書き込み可(デフォルト)
codex -s workspace-write
# フルアクセス(ネットワーク含む)
codex -s danger-full-access
# CI環境向け(サンドボックス完全バイパス)
codex exec --dangerously-bypass-approvals-and-sandbox "タスク"デフォルトのworkspace-writeでは、プロジェクトディレクトリ内のファイル編集は許可されますが、ネットワークアクセスはブロックされます。npm installのようにネットワークが必要な場合は、設定で明示的に許可する必要があります。
設定ファイル(config.toml)
Claude Codeの~/.claude/settings.jsonに相当するのが、Codexの~/.codex/config.tomlです。
# ~/.codex/config.toml
# 使用モデル
model = "gpt-5.4"
# 承認ポリシー
approval_policy = "on-request"
# サンドボックスモード
sandbox_mode = "workspace-write"
# ネットワークアクセスの許可
[sandbox_workspace_write]
network_access = trueプロジェクトごとの設定は、リポジトリルートに.codex/config.tomlを配置します。Claude Codeの.claude/settings.jsonと同じ発想ですね。
AGENTS.md(プロジェクト指示書)
Claude CodeにおけるCLAUDE.mdに相当するのがAGENTS.mdです。プロジェクトルートに配置すると、Codexがセッション開始時に自動で読み込みます。
# AGENTS.md
## プロジェクト概要
- WordPressカスタムテーマ(webcode2026)の開発
- PHP 8.0 / jQuery / htmx
## コーディング規約
- インデントはタブ
- 関数を先に定義してから呼び出す
- コミットメッセージは日本語で書く
## テスト
- `npm run lint` でリント確認すること
- 変更後は必ずビルド確認CLAUDE.mdと違い、AGENTS.mdはディレクトリ階層ごとに配置できます。プロジェクトルートに共通ルール、サブディレクトリに固有ルールを置く運用が可能です。
よく使うスラッシュコマンド
対話モード中に使えるスラッシュコマンドです。Claude Codeと共通するものも多いです。
/model モデルを切り替え
/review コードレビューを実行
/clear 会話をクリア
/compact 会話をコンパクト化
/copy 直前の出力をコピー
/theme テーマを変更
/exit 終了
!ls シェルコマンドを直接実行(!で始める)
@ファイル名 ファイルパス補完利用可能なモデル
2026年4月時点で選択できる主なモデルは以下の通りです。
gpt-5.4 汎用フラッグシップ(デフォルト)
gpt-5.4-mini 高速・低コスト版
gpt-5.3-codex コーディング特化
gpt-5.3-codex-spark リアルタイム向け(Pro限定)# モデル指定で起動
codex -m gpt-5.4-mini "簡単なタスク"
# config.tomlで固定
# model = "gpt-5.4"Claude CodeとCodexの比較
両者の主な違いを整理します。
| Claude Code | Codex CLI | |
|---|---|---|
| 開発元 | Anthropic | OpenAI(OSS) |
| 実装言語 | TypeScript | Rust |
| 設定ファイル | CLAUDE.md / settings.json | AGENTS.md / config.toml |
| サンドボックス | 権限モード切替 | OS レベル(Seatbelt / Landlock) |
| 非対話モード | claude -p | codex exec |
| コードレビュー | /review(実験的) | /review |
| MCP連携 | 対応 | 対応(MCP サーバーとしても動作) |
| 料金 | Pro $20〜 / Max $100〜$200 | ChatGPT Plus $20 に含まれる |
どちらが優れているという話ではなく、得意分野が異なります。私の体感では、Claude Codeはプロジェクト全体の文脈理解と対話的な実装に強く、Codexはバッチ的なタスク処理やCI/CD連携に強い印象です。
Claude Code × Codex 相互レビュー
ここからが本題です。同じプロジェクトで両ツールを併用し、相互にコードレビューさせる方法を紹介します。
AIモデルは自分が書いたコードをレビューすると、見落としや甘い評価をしがちです。異なるモデルにレビューさせることで、この「自己バイアス」を回避できます。
方法1:公式プラグインを使う(おすすめ)
OpenAIが公式にcodex-plugin-ccというClaude Code用プラグインを公開しています。Claude Codeの中からCodexを呼び出せるようになります。
# Claude Codeのセッション内でセットアップ確認
/codex:setup
# Claude Codeで書いたコードをCodexにレビューさせる
/codex:review
# ブランチの差分をレビュー
/codex:review --base main
# タスクをCodexに委譲(バックグラウンド実行)
/codex:rescue "テストが通らない原因を調査して"
# 委譲したタスクの状態確認
/codex:status
# 結果を取得
/codex:resultこの方法のメリットは、Claude Codeの操作フローから離れずにCodexのレビューを受けられる点です。マルチファイルの変更レビューは時間がかかるので、バックグラウンドで実行するのがおすすめです。
方法2:Skillとして実装する
公式プラグインを使わず、Claude Codeのカスタムスラッシュコマンド(Skill)としてCodexを呼び出す方法もあります。MCPよりも進捗が見えやすいのが利点です。
# .claude/skills/codex-review/SKILL.md
---
name: codex-review
description: Codex CLIでコードレビューを実行する
argument-hint: "[レビュー対象の説明]"
user-invocable: true
---
以下のコマンドでCodex CLIを使ってレビューを実行してください。
codex exec --full-auto --sandbox read-only --cd $PROJECT_DIR "$0 のコードをレビューしてください。バグ、セキュリティリスク、改善点を具体的に指摘してください。確認や質問は不要です。"
レビュー結果を要約して報告してください。Claude Codeのセッション内で/codex-review functions.phpの変更のように呼び出せます。--sandbox read-onlyを指定しているので、Codexがファイルを変更する心配もありません。
方法3:手動で相互レビュー
プラグインやSkillを使わず、tmuxの別ペインでそれぞれを起動して手動で行き来する方法です。シンプルですが、これでも十分効果があります。
# tmuxで2ペイン構成
# ペイン1: Claude Codeで実装
claude
# ペイン2: Codexで読み取り専用レビュー
codex -s read-only "直近のgit diffをレビューして"私はふだんtmuxで作業しているので、この方法が一番気軽に使えています。Claude Codeで実装 → Codexでレビュー → 指摘をClaude Codeに伝えて修正、という流れです。
相互レビューの実践的なワークフロー
私が実際に使っている流れをまとめます。
日常の開発(Claude Code主体)
日常的なコード修正や機能追加はClaude Codeで行います。プロジェクトのコンテキスト理解力が高いので、対話しながらの実装に向いています。
レビュー(Codexで実施)
コミット前やプルリクエスト前にCodexでレビューします。codex exec --sandbox read-onlyで実行すれば、コードを変更される心配なく安全にレビューできます。
逆方向のレビューも有効
Codexで書いたコードをClaude Codeの/reviewでレビューさせることもできます。異なるモデルが異なるバグを見つけるので、片方だけでは見落とすような問題を検出できます。
CI/CDでの活用
Codexのcodex execはCI/CDパイプラインに組み込みやすい設計になっています。
# .github/workflows/codex-review.yml
name: Codex Review
on:
pull_request:
types: [opened, synchronize]
jobs:
review:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- name: Install Codex
run: npm i -g @openai/codex
- name: Run review
env:
OPENAI_API_KEY: ${{ secrets.OPENAI_API_KEY }}
run: codex exec --full-auto "PRの変更内容をレビューして"注意点
併用する上でいくつか気をつけていることがあります。
まず、コストです。Claude CodeとCodexの両方を使うと、それぞれのAPIトークンを消費します。日常開発はメインツール1つで行い、レビューや重要な実装のダブルチェックにもう片方を使うのがコスパの良い運用だと思います。
次に、同時に同じファイルを編集させないことです。両方のエージェントが同時に書き込むとコンフリクトの原因になります。一方を読み取り専用にするか、作業ディレクトリを分ける(git worktree等)のが安全です。
最後に、CLAUDE.mdとAGENTS.mdの管理です。同じプロジェクトに両方置くことになりますが、内容が重複しすぎないように注意します。共通のルール(コーディング規約など)はREADMEや別ファイルにまとめ、各指示書からはそのファイルを参照する形にすると管理しやすいです。
まとめ
Codex CLIはClaude Codeと競合するツールですが、併用することで互いの弱点を補い合えます。同じAIに書かせて同じAIにレビューさせるより、異なるモデルでクロスチェックする方が確実にコード品質は上がります。
まずはnpm i -g @openai/codexでインストールして、Claude Codeで書いたコードをCodexにレビューさせるところから試してみてください。
Codex CLIの最新情報は公式ドキュメント、Claude Code用プラグインはGitHub(codex-plugin-cc)を参照してください。
